1. HOME
  2. ピックアップコラム
  3. クルマが情報端末に!?話題の「テレマティクス」とは

ピックアップコラム

クルマが情報端末に!?話題の「テレマティクス」とは

  • 2016.04.05 更新
  • 1,617views

「テレマティクス(Telematics)」とは、テレコミュニケーション(Telecommunication:通信)とインフォマティクス(Informatics:情報科学)を組み合わせた造語。自動車などの移動体に通信機能を付加し、リアルタイムに情報やサービスを提供するシステムです。

中でも市場として注目が集まるのはカーナビ等の車載器に通信機能を持たせた「カーテレマティクス」。単に「テレマティクス」と言う場合でもこのシステムを指す場合が多く、自動車IT化の象徴的存在となっています。カーテレマティクスでは交通情報の配信、盗難時・故障時の自動連絡といった機能やサービスでドライバーをサポートしています。

スマホのように「使える」クルマへ

カーテレマティクスの導入されている車体は「コネクテッドカー」(インターネットに接続されたクルマ)と呼ばれますが、この呼称で世界中から注目を集める理由は、単に「クルマがネットに繋がったから」ではありません。

人々の生活の利便性を高めるものとして、クルマそのものがひとつの情報端末、つまりまったく新しいデバイス(道具)として捉えられるようになったのです。

長距離運転の多いアメリカで充実しているのは、娯楽性を高めたカーテレマティクスです。車載システムでスマートフォンの様に音楽・ゲーム等をダウンロード・プレイできるこのサービスは、特に「インフォテインメント(Infotainment)」-InformationとEntertainmentを組み合わせた造語- の名で親しまれています。

広がるテレマティクス市場

現状では情報配信やメール送受信、娯楽などの個別利用が中心のテレマティクスですが、着実に新たな市場を創造しつつあります。

例えばGPS(位置情報システム)や車間距離・スピードセンサーといった機能により、位置や速度等に関する膨大なデータ(ビッグデータ)が収集されます。これらを解析すれば、車両診断や路上の危険予知、そして運転管理に役立てることができます。

既にビッグデータを利用したサービスの一つとして、自動車保険会社が「テレマティクス保険」の提供を開始しました。あらかじめ走行距離が短く急発進・急ブレーキの少ない「やさしい運転」の度合いが数値化されており、車載計測器にはその点数が表示されます。保険に加入しているドライバーは、点数に応じ保険料のキャッシュバックを受けることができるのです。

また、重大事故防止のために世界も動き始めています。事故発生時に自動で緊急通報を行うテレマティクスシステム「eCall(イーコール)」の車体への搭載が、欧州を筆頭に今後義務化される見通しです。テレマティクスサービスの国際的普及と発展は目前とみて良いでしょう。

このように、テレマティクスにより収集可能となったビッグデータの解析は、あらゆる分野で研究が進められています。このビッグデータの有効活用が、産業のパラダイムシフト(社会全体の価値観が劇的に変化すること)の起爆剤となるのではないでしょうか。

クルマ自体の価値を高め、世界中の道路の安全を守るテレマティクスサービス。今後の動きから目が離せません。

(文:四方美架)